建築基準法の大幅改正に向けて議論開始
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建物用途変更で段階的改修工事可能に
国土交通省が、建築基準法の大幅な改正に向けて議論を始めました。
最大のポイントは既存建築物の約半数が築30年を超えているとされており、その活用と促進です。主に民間の非住宅建築物を対象に、用途変更による活用を誘導していく方向です。
具体的には、用途変更によって、建物を法令に適合させるための改修工事を段階的に行えるようにして費用負担を平準化できる仕組みの導入を検討しています。
建築基準法の改正を検討する大きな目的は3点あります。
- ・既存建築物の活用促進
- ・木造建築物の建設と活用促進
- ・火災に対する建築物の安全性確保
今後の建築基準制度部会では、これらの目的別に現行規制の合理化などを議論していきます。
用途変更の費用負担平準化に向けて
国土交通省によると、議論の最大のポイントとなるのが、既存建築物の活用促進です。
現在、法人などが所有している非住宅建築物(計約20億m²)の半数弱が築30年を超えています。そこで、比較的規模の大きい非住宅建築物の、用途変更で必要になる大規模改修工事の費用負担を平準化できる仕組みの導入を探っています。
具体的には、現行法令で増改築工事の特例措置として運用されている「段階改修制度」の準用を検討しています。
用途変更で必要になる改修工事は、原則として一気に行ってから建築確認を受ける必要になりますが、段階改修制度を活用すると、最終的に建築物が法令に適合するよう、段階的に工事を行うことができます。
建築物の防火対策強化へ
2016年12月に新潟県糸魚川市で発生した、木造住宅密集地域の大規模火災を教訓に、面的な建て替え・改修を促す措置を検討します。また、2017年2月に埼玉県三芳町で発生した大規模倉庫の延焼火災を教訓に、防火シャッターなどの防火装置の閉鎖障害が起こらないようにする日常的なメンテナンス実施を促す措置も検討していきます。
この他にも、木造建築物の新たな普及策として、安全性確保を前提に、「木の良さ」を生かしたデザインの自由度を高められるようにする方針です。