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建設業振興基金は、建設キャリアアップシステム（CCUS）の利用者に無償提供している就業履歴蓄積アプリ「建レコ」を改修し、カードリーダー本体に就業履歴を一時保管するロギング機能を31日に実装する。
パソコンを設置しにくい小規模現場で、技能者が就業履歴を蓄積しやすくなる。
現在、小規模現場へのCCUS普及が課題となっており、建設キャリアアップシステム運営協議会が掲げる2023年度就業地歴数目標6000万件の達成に向け、ロギング機能の利用を促す。

履歴カードリーダーに一時保管

今までは、技能者がカードタッチによって就業履歴を蓄積するたには、カードリーダーに加え、
　▷パソコン(Windows)
　▷ iPad
　▷ iPhone
の三つのうち、建レコをインストールしたいずれかの機器を現場に置く必要があった。
ロギング機能は、カードリーダー本体に就業履歴を一時保管し、保管上限件数に達するまでに現場の管理者が事務所でカードリーダーとパソコンなどを接続することにより、CCUS上に就業履歴を蓄積する仕組み。
パソコンなどを現場に設置することなく、就業履歴を蓄積できる。

小規模現場で蓄積しやすく

戸建住宅やリフォームの工事はスペース的・コスト的にパソコンなどの現場設置が困難との声が上がっていた。
詰め所などを設けず、作業場所は日によって変わる塗装工事や軌道工事も現場設置が難しいとされる。
カードリーダーは名刺サイズの大きさで、管理者が胸ポケットに入れて持ち歩くことなどが可能なため、これら小規模現場で就業履歴を蓄積しやすくなるほか、大規模現場でも朝礼時に技能者がその場でまとめてカードタッチするといった利用がみこまれている。
カードタッチ時にインターネットへの接続が不要なため、山奥の現場など通信環境が整っていない場所でも利用できる。

対応機種

　CCUS認定カードリーダーは4種類あり、このうちロギング機能の対象は下記の2種類。
●「Dragon_BLE」（保管就業履歴件数上限2000件）
●「BNRO1」（同2730件）

「Dragon_BLE」が先行対応となる。
　基金が31日にリリースするWindows版（パソコン用）の建レコをダウンロードすることにより、新ファームウェアを搭載した「Dragon_BLE」でロギング機能を利用できる。
Ios版（iPad・iPhone用）の建レコのリリース時期は
●Windows版：12月
●ios版が：2024年3月の予定。
基金が指定する三つのECサイトから「Dragon_BLE」を新たに購入すると、新ファームウェアを搭載したカードリーダーが発送される。
　旧ファームウェアの「Dragon_BLE」を所有している場合は、ファームウェアの入れ替え作業を24年1月まで無償（機器の送料は利用者負担）で行う。

基金が事務局を担当する建設キャリアアップシステム運営協議会は、23年度就業履歴数目標を6000万件に設定し、22年度目標から6割引き上げた。
カードリーダー未設置の現場で電話発信によって技能者が修行履歴を蓄積できるように、コムテックス（富山県高岡市）が提供する入退場管理システム「キャリアリンク」の簡易版導入費用を10月から基金が支援する試行と併せて、戸建住宅工事など小規模現場でのCCUS普及拡大を目指し、ロギング機能の利用促進を図る。

CCUS カードリーダーのモニターについて

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（参考資料　日刊建設新聞、日刊建設工業新聞　、国土交通省HP、 一般財団法人建設業情報センターHP)