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建設産業再生へ。確実な動きを見せる2017年の展望

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2020年の東京五輪まで4年を切り、2017年は五輪関係の施設整備の動きが本格的に活発になっていきます。担い手の確保や育成という命題の元で、建設産業界が取り組んできた社会保険未加入対策の総仕上げ、またキャリアアップシステムの稼働という新たな取り組みに注目が集まっています。建設従事者の処遇改善や生産性向上への取り組みは、建設産業再生への各自な動きと言えますが、その実現には「産みの苦しみ」も伴います。
そこで今回は産業再生へと歩みを進める2017年を展望します。

i-Conは次なるステージへ

昨年を生産性革命の元年とするならば、2017年は次なるステージへの「前進の年」となるでしょう。ICT(情報通信技術)土工が、直轄工事において着実に普及してきたことで、他工種や地方への展開に踏み出すことができるようになるためです。
調査や設計、施工、そして維持管理までのすべての建設生産のプロセスにICTを導入する「アイ・コンストラクション」、通称「i-Con」の根幹ともいえるCIM(Construction Information Modeling)の本格導入により、建設現場において本格的な変革がもたらされることになりそうです。この「働き方革命」ともいえる時代に、産業行政も大きな転換点を迎えることになりそうです。その中でも注目されるのが、制定より70年が経過した建設業法の抜本的見直しを視野に入れた建設産業政策会議の動向です。
10年先の建設産業を見通す中で、請負以外のビジネスモデルのあり方や、地域建設業の維持といった課題に対して、6月に予定される最終報告へどういった動きを見せるのかに高い注目が集まっています。それに並行して2017年にようやく着手されることとなった、建設キャリアアップシステムの開発・構築など、国交省が担い手の確保・育成や生産性の向上といった課題に対してどのように向き合っていくのか、その動きからも目が離せません。

まずクリアすべき保険未加入対策

社会保険未加入対策やキャリアアップシステムなど、担い手の確保・育成へ向けた動きが加速する2017年。その担い手となる若者を魅了する産業へと転換するため、業界が一丸となって飛躍へ向けた取り組みに注目が集まります。
中村満義氏が会長を務める日本建設連合会は、昨年の9月に「社会保険加入促進要綱」と「社会保険加入促進に関する実施要項」を改定しました。その中には、2017年度以降は特別な理由がない限り、社会保険未加入者の工事現場への入場規制を徹底することが明記され、労働者単位での加入の徹底に足並みを揃えて取り組む姿勢を示しました。

これに加え、社会保険未加入の排除措置が2次請け以下へ拡大するという国交省の方針により、
業界をあげた未加入対策が大きく前進しそうです。
キャリアアップシステムは、技能労働者の就労履歴を一元的に管理し、技能や経験に応じた適正な評価体制を整えるほか、現場での安全管理や人材配置の効率化を図る目的で構築されます。しかし一部からは「具体的なメリットやデメリットが分かりづらい」などの声が上がるなど、この先の円滑な運用には、メリットを明確にするなどの丁寧な説明が求められています。

担い手となる若者が集まる産業へ


熟練義技能者の高齢化や退職、若手入職者の不足など、技術継承の為の人材確保が急がれる専門工事業界において、まずクリアすべき課題は、目標期限の迫る社会保険未加入対策への対応となるでしょう。
この先を見据えると建設投資の縮小は否めないですし、また技能労働者だけでなく後継者のいない企業も多く、場合によっては廃業へ舵を切る様な分岐点となる1年になるかもしれません。
首都圏では夏ごろから東京五輪関連や大規模再開発などの工事が活発化し、人手不足も課題となっています。保険未加入者の入場規制などといってられない状況になれば、これまでの取り組みが水の泡となる可能性もあり、技能労働者の高齢化が進む中で、若年層の入職が少ないという現状の打開が求められます。
技能労働者が足りないとはいえ、もちろん今後の仕事量とのバランスを考えないと行けないため、
大幅に社員を増やすということも難しく、苦悩の1年になることも考えられます。

また今年から五輪後の生き残りを懸けた取り組みを始められるかどうかで、4年後には大きな差が生じることでしょう。その中で1つの選択肢になり得るのが、多能工や他職種との協業です。
とび工にボード工をさせる、あるいは鉄筋工に耐火被覆工をやらせるなど、
後工程の職種を覚えさせることによって、職人の仕事のない状況を回避させるような取り組みも目立ってきました。新築工事が減少する中で、リフォーム分野の技術を身につけさせることで主職種分の減少を補うという狙いです。

いずれにしても4年後、5年後を見据えた動きが大切になる1年となるでしょう。