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元請や1次下請の責任増大で下請け契約の重層化の回避が可能

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元請や1次下請の責任増大で下請け契約の重層化の回避が可能/国交省検討会

CCUS活用も有効/国交省検討会

 国土交通省が16日に開いた「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」の第5回会合で、建設業が長年抱える課題の重層下請構造について、下位の下請けに対して元請けや1次下請けが負う責任を増大させることにより、下請け契約の重層化を回避できるとの意見が委員から上がった。
適正な施工体制の確保に向けては、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用して施工体制を見える化することが有効との声もあった

下請契約の重層化の回避/第5回国交省検討会

第5回会合は、▽重層下請構造▽適切な施工体制の確保▽建設技能者施策―の3点をテーマに取り上げた。冒頭以外を非公開とし、委員の意見は会合終了後に国交省が明らかにした。
 ある委員は、重層下請構造が始めから重層化をねらって起きるものではなく、何らかのニーズがあって結果的に生じたものと考えられるため、下請け次数を制限するのではなく、重層化に起因して発生する問題に対応する方向で検討すべきと主張した。
 さらに「シャーキングコスト」という考え方を持ち出し、元請けや1次下請けが下位の下請けを自ら管理するコストと、下位の下請けに対して元請けや1次下請けが負う責任への対応に要するコストを比較し、責任への対応に要するコストの方が小さいために重層化を選択していることが要因の一つと指摘。これを回避するためには、元請けや1次下請けが下位の下請に対して負う責任を大きくすることが有効と説いた。

ビジネスと人権への関心

 この意見に関連して別の委員は、ビジネスと人権への関心が国際社会で高まり、人権を無視したビジネスが世界的に許されない状況になっていることを説明し、建設工事の請負契約でも人権や労働に関して元請けにしかるべき責任を負わせるという方向性はありえるとの考えを示した。

労働基準法遵守

 また、別の委員は、2024年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制への対応を強化する必要があるとして、法令違反しないように特定建設業者が下請けを指導する義務の対象法令に、労働基準法で罰則付き上限規制を定める条項を追加することを提案した。これは「2024年問題」への対応だけでなく、シャーキングコストの考え方にも通じるもので結果として下請け契約の重層化回避につながるとした。
 法令違反しないように特定建設業者が下請けを指導する義務は建設業法第24条7項で課しており、対象法令として▽建設業法の全ての規定▽建設工事の施行に関する法令▽建設工事に従事する労働者の使用に関する法令―の三つが規定されている。
 このうち「建設工事に従事する労働者の使用に関する法令」には労働基準法が含まれるが、時間外労働の罰則付き上限規制を定める条項は対象外のため、これを追加すべきと主張した格好だ。具体の対象法令は建設業法の政令で定めている。

CCUS活用

 適切な施工体制の確保に関しては、下請け契約が重層化する現場の施工体制を施行体制台帳や施工体系図で逐一把握することが困難になっていうとの指摘があった。今後は施行体制の見える化が必要で、その手段にCCUSを活用することが有効との声が上がった。現座管理のツールとしてCCUSを活用するという意見には、委員が総じて賛成の意思を示した。
 また、CCUSを通して技能者個人の技能レベルや専門工事企業の施行能力を見える化した情報を発注者と共有できれば、品質の高さに応じた対価を支払う方向に発注者の意識が働き、技能や経験に応じた技能者への賃金支払いにつながるとの指摘があった。


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(参考資料 日刊建設新聞、日刊建設工業新聞 、国土交通省HP、 一般財団法人建設業情報センターHP)