直轄工事成績評定の運用を見直し
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国土交通省は、直轄工事における成績評定の運用を見直しました。
災害対応など緊急的な対応が求められる工事への確実な評価を打ち出す一方で、受注者に過剰な書類作成を促すような表現を削除し、添付や提出が不要となる書類を明示することで、工事書類の簡素化にも力を入れていきます。
この運用は既に2019年4月1日以降に入札公告する工事から適用が開始されました。
緊急的な対応を要する工事への評価が柱
柱となるのは、発注者が成績評定を行う際に用いる「考査項目別運用表」にある、災害対応など緊急的な対応を要する工事への評価です。
「事故」や「災害発生直後」「被災個所の措置」など、緊急的な対応が必要となる工事の具体例を示すことで、災害対応を確実に評価(加点)できる運用へと見直しました。
例えば、24時間対応による施工など早期の完成が求められる「作業環境」である場合や、地すべりへの対応など「自然・地盤条件」が厳しい工事(2次災害の危険性に対する注意が必要な工事)である場合に「作業環境+自然条件」で最大2点の加点が受けられるようになります。
必要以上に書類の作成を誘導するような記述を見直すなど、工事書類の簡素化に向けた対応も行います。
書類の整理で効率化を狙う
また、成績評定の対象となる書類を示す「工事関係書類一覧表」を整理しました。
対象書類そのものの削除には至っていませんが、書類作成の際の留意事項(備考欄)に添付や提出が不要な書類を明示することで、発注者サイドの検査官(担当者)が必要以上に添付書類の作成を求めることを防ぐためです。
担当する検査官によるばらつきをなくす一方、工事成績への影響を意識して受注者が過剰に書類を作成してしまうケースを抑制し、より一層の徹底を図ることで、受発注者の双方の業務の効率化を狙います。
原則として契約から30日以内としている施工計画書の提出に対する評価もより柔軟に対応していく方針も示されました。
特に災害復旧などで早急な対応が求められる工事は施工方法の詳細が決まっていないケースもあることから、工事着手前に施工計画書を作成することが困難である点に着目し、従来は「工事着手前に提出している」ことを評価の対象としていた部分を、「工事着手前または施工方法が確定した時期に提出している」に、その記載を変更しました。
施工方法などの詳細が確定した段階で施工計画書を出した場合も評価の対象とすることで、より柔軟に対応できる運用に見直しました。