社会保険の加入徹底へ、建設キャリアアップシステムを活用
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国土交通省は、社会保険等の加入の徹底へ、今年4月から本格運用がスタートする「建設キャリアアップシステム」の活用に乗り出します。
現場に入場する技能者に対する加入状況の確認・指導を合理化することが狙いです。
元請企業が、下請企業に所属する作業員の加入状況をより合理的かつ効果的に確認できる環境をつくることで、労働者単位での加入対策の徹底を促します。
システムの機能に着目
加入対策を合理化する手段として、システムに登録した技能者の社会保険等への加入状況を簡易に確認することができる「建設キャリアアップシステム」に着目しました。
システムの機能として加入状況の確認に用いる「作業員名簿」を作成・出力できることから、この機能を効果的に活用すれば、元請企業と下請企業の双方にとって加入対策に要する事務負担の軽減が図れると判断されました。
今後の施策として、建設業法の改正による未加入企業への対策の強化(許可業者からの排除)を打ち出す中で、企業単位での加入対策の徹底につなげていきます。
対象の建設キャリアアップシステムは、それぞれの技能者が持つ資格や就業の履歴を業界統一のルールで登録・蓄積していく仕組みです。
新たな付加価値の創出へ
保険者証の写しなどで登録する内容の“真正性”が確保されることから、当初は未加入であったが、適切な保険にきちんと加入した場合や、所属する事業者が変更になった場合など、情報の更新さえ行われていれば、記載された情報の信頼性は担保できます。
仮に適切な保険に加入していることが確認できない場合、対象となる保険が「空欄」で表示されることから、元請企業は「空欄」となっている技能者を重点的にチェックできます。
今後、元請企業に対する下請け企業や作業員の加入状況の確認・指導の徹底などを求めている「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」への反映も検討されています。
制度的な位置づけを持たせることで、入場する作業員の加入状況を合理的かつ効果的に確認するための有効なツールとしての活用を促します。
紙ベースだったことから、これまで元請企業にとって相当な手間となっていた「作業員名簿」による確認・指導が“電子的”に行うことができる点を踏まえれば、建設キャリアアップシステムのメリットの一つとして、新たな付加価値を生み出すことにもなりそうです。