賃上げの総合評価加点措置/実落札者表明率75%
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国土交通省は、従業員の賃上げを行うと表明した応札者を政府調達の総合評価方式で加点する措置について、直轄土木工事の2022年度実施状況などをまとめた。
22年4月以降の契約を対象に始まった取り組みで、初年度の賃上げ表明率は実競争参加者の67%、実落札者の75%だった。
加点を得て工事を落札した受任者のうち、23年7月までに賃上げ実績の確認を終えた367者で、政府が大企業3%、中小企業など1.5%に設置している賃上げ目標の未達成者はゼロとなっている。
直轄土木工事を安定的に受注している企業ほど賃上げ表明率が高い傾向
農業関係と港湾空港関係を除き、北海道開発局、8地方整備局、内閣府沖縄総合事務局が22年度に発注した直轄土木工事6679件で22年1-12月の暦年単位または事業年度単位により、目標を超える賃上げを実施すると表明した応札者数は、実競争参加者数4507者のうち3010者、実落札者数2709者のうち2029者だった。
受注者の過去3年間(19-21年度)での直轄土木工事平均落札件数と賃上げ表明率を見ると、
・ゼロ・・・40%
・1件 ・・・57%
・1件以上2件未満・・・68%
と低かった一方、
・8件以上9件未満・・・97%
・9件以上10件未満・・100%
・10件以上・・・・・・96%
と件数が多くなるにつれて高くなり、直轄土木工事を安定的に受注している企業ほど賃上げ表明率が高い傾向が見て取れた。
実競争参加者数の賃上げ表明率を工種別
実競争参加者数の賃上げ表明率を工種別で見ると
・一般土木(81%)
・アスファルト舗装(87%)
・鋼橋上部(98%)
・橋梁補修(81%)
・維持修繕(69%)
の5工種が全工種平均の67%を上回った。
一方で、
・造園(40%)
・建築(54%)
・電気設備(48%)
・塗装(61%)
・通信設備(45%)
・受変電設備(43%)
の6工種は下回り、民間工事より公共工事の割合が高い工種で賃上げ表明率が高い傾向が見られた。
賃上げ実績を確認
加点を得て工事を落札した受注者を対象として、賃上げ表明期間終了後に賃上げ実績を確認する作業は、整備局などが23年1月に開始し、22年1-12月の暦日単位で賃上げを表明した受注者から順次進めている。
7月までの確認では、暦年単位で賃上げを表明した367者の全てが賃上げ目標を達成していた。
目標を達成できなかった受注者に対しては、1年間にわたって全ての政府調達で加点より大きい割合の減点をペナルティーとして科す運用となっているが、7月までの確認で対象者はなし。
賃上げ率
実績確認を終えた一般土木176者を対象に、柔軟な運用を加味した評価上の賃上げ率を見ると
・中小企業など・・・1.5%以上2%未満
・大企業・・・・・・3%以上3.5%未満
がそれぞれ最も多かった。
国交省など国の発注機関は、賃上げを表明した応札者を総合評価方式で加点する措置を23年も実施している。
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(参考資料 日刊建設新聞、日刊建設工業新聞、日本工業経済新聞社、国土交通省HP、 一般財団法人建設業情報センターHP
一般財団法人建設業振興基金HP)