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書類提出 3ヵ月以内に統一/国交省が独自の実績確認法

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 賃上げ表明企業への加点措置   対応窓口は一元化

国土交通省は、事業年度または暦年での賃上げを表明した企業を工事や業務など公共調達の入札時に総合評価落札方式で加点する措置について、賃上げ実績を確認する独自の方法を決めた。
加点を得た状態で複数の地方整備局から受注している場合、受注者が選定する「代表整備局」に国交省側の対応窓口を一元化する。実績確認書類の提出期間は、書類の種類にかかわらず、賃上げ実施期間終了後3カ月以内に統一する。

「新しい資本主義」の実現に向けた政府全体の取り組み

 大企業3%、中小企業等1.5%の賃上げを表明した企業を加点する措置は、財務省が枠組みを構築し、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の実現に向けた政府全体の取り組みとして4月以降契約分から実施している。

賃上げ実績の確認

 賃上げ実績の確認は、賃上げ実施期間を2022年1-12月の暦年単位にした受注者から順次始まり、この確認作業が23年1月にスタートする。契約担当官が契約ごとに実績を確認することが標準的な方法となっているが、国交省の契約件数は膨大なため、確認作業の開始を前に、受発注者双方の事務負担を軽減する観点から独自の方法を定めた。
 港湾・空港関係を除く直轄工事・業務の実績確認は、受注者と契約相手の整備局がシステム上でやり取りする。初めに、国交省がシステムのログインコードや操作方法などを記載した事前把握書類を郵送する。それを受け取った受注者はシステム上で、社内の対応窓口を回答した後、実績確認書類を提出。契約相手の整備局が資料の内容を確認するとともに、必要に応じて資料の追加提出を求める。
 加点を得た状態で複数の整備局から受注している場合は、契約相手の整備局の中から国交省側の一元的な窓口となる代表整備局を企業側が選定し、社内の賃上げ対応窓口を回答するタイミングで国交省側にシステム上から伝達する。
 受注者は実績確認書類として、賃上げ実施期間を事業年度単位とした場合に「法人事業概況説明書」、暦年単位の場合には「給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表」を提出する必要がある。賃上げ実施期間終了後の書類提出期限は、法人事業概況説明書が2カ月以内、「給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表」が1カ月以内と異なっていたが、どちらの場合も3カ月以内に統一した。実績確認期間は書類提出後2カ月間とする。
 国交省は、22年1-12月の暦年単位で賃上げを表明した受注者に対し、確認作業の第1ステップである事前把握書類の郵送を近く行う。22年後半に受注した場合は、手続きの関係上、事前把握書類の送付時期が遅れる可能性があるとしている。
 港湾と空港の工事・業務は、これと基本的な考え方が同じだが、細部は若干異なる。港湾工事・業務は、実績確認書類の提出方法を電子メールとする。書類提出後1カ月以内に整備局が書類を確認し、整備局確認後1カ月以内に本省港湾局が港湾分を取りまとめる。
 空港工事・業務は、国交省側の窓口を一元化しないで、受注者が契約相手の本省航空局、東京航空局、大阪航空局と個別にやり取りする方法とする。
 加点を受けた受注者の賃上げ実績が基準に達していない場合や、制度の趣旨を意図的に逸脱していると契約担当官が判断した場合は、各府省が財務省に該当企業を四半期ごとに報告する。財務省が報告内容を精査した後、各府省に通知する日から1年間にわたり、総合評価方式で実施する国の全公共調達で、加点より大きい割合の減点措置を該当企業に講じるペナルティーを科す。


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(参考資料 日刊建設新聞、日刊建設工業新聞 、国土交通省HP、 一般財団法人建設業情報センターHP)