改めて注目される「施工管理技士」~建設業における資格取得の重要性~
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「業界全体の技術者の不足」が問題となっている建設業界。企業の活動範囲が拡大し、建設業とは無縁であった異業種が建設業界に続々と参入してきていることも、技術者の需要が高まる大きな要因となっています。
特に電気通信工事は技術者不足が深刻
特に電気通信工事は技術者不足が深刻です。
スマートデバイスの普及やインターネットの環境が進化している現代社会では、「電気通信工事」は必要不可欠です。一定の請負金額以上の工事に配置が求められる「監理技術者」などの不足しています。
「電気通信工事」において監理技術者になるためには、これまで長い実務経験を積んだ職人または技術士である必要があり、監理技術者が足りないために受注を断念する企業も現状少なくありません。
1級・2級電気通信工事施工管理技士の資格の創設
令和元年より、現代社会の強いニーズに応えるべく、新たな施工管理技士資格として「電気通信工事施工管理技士」が30年ぶりに新設されました。
「電気通信工事施工管理技士」は「監理技術者」などの資格要件となります。
電気通信工事は「電気工事」と混同しながちですが、扱う設備は次のようなものです。
電気通信線路、電気通信機械、TV電波障害防除設備、情報制御設備、放送機械、防犯カメラ、火災報知器、情報通信設備(インターネット関連の設備)などです。
情報伝達に使っている電気の設備は、電気通信工事の領域になります。
令和3年、試験制度が変わる
建設業法が改正され、令和3年度試験より試験制度が再編されます。
施工管理技士の不足は、電気通信工事の分野だけではありません。
従来から土木・建築などの技術者も慢性的に不足しています。この状況を改善し、施工管理技士を継続的にかつ安定的に確保するため、監理技術者の専任の緩和とそれに伴う施工管理技術検定制度の見直しが行われました。
「技士補」が新たに創設されました。
建設業法の緩和され、「監理技術者の職務を補佐する者として政令で定める技術者を建設現場に専任で配置した場合は、『監理技術者』の兼任を認める」とされています。
この「補佐する者」になる要件の1つとして技士補が検討されています。
また、技士補の創設に伴い、試験制度の変更も進められています。
今回の試験制度変更により、「学科・実地」から「第1次・第2次」へ名称を変更され、試験範囲も変更されます。
技士補の称号が得られることから、試験内容は難問化すると推察されます。
日本建設情報センター(CIC)からは、「現行の試験も決して簡単とは言えませんが、新試験より確実に受験対策が立てやすいため、受験資格があれば今年受験した方が圧倒的に有利でしょう。受験資格があれば、今年中に受験すべきでしょう。皆さまが技術者として社会貢献を果たしていくことを祈念しています」との見解が示されている。
同センター(CIC)ではこのような建設業界の課題に応えるべく、受験対策講座を開催しています。
より、確実な合格のため、そういった講座の利用も一つの案として検討してもいいでしょう。
(参考資料「建通新聞」株式会社日本建設情報センター HP)