規制逃れ目的の「一人親方化」の対策を検討
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国土交通省は、改正建設業法において、建設業許可基準で社会保険への加入が要件化したことに伴い、規制逃れを目的とした「一人親方化」の実態把握や偽装請負の防止に必要な取り組みに乗り出しました。
抜本的な対策を講じるため、検討会の立ち上げや調査のための費用を2020年度予算の概算要求に計上しています。
実質的に労働者として働いているにもかかわらず、規制・負担を逃れるために一人親方として使用する企業に対する実効性のある対策検討を行っていきます。
2020年度予算の概算要求に「社会保険の加入徹底・定着」(3000万円)が盛り込まれました。
これまでの加入対策の推進によって、社会保険への加入率は着実に上昇し、一定の成果を見せる中で、2020年度からは加入割合からは見えない偽装請負に焦点を当てることで、適切に社員の処遇改善に取り組む企業が不利にならない環境を確保します。
規制逃れを目的とした一人親方化の対策検討については、2019年5月に開催した第2回建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会で重点課題に位置付け、実効性のある対策の検討に着手することを決めました。
2019年度から施工した5日間の有休取得の義務化、2020年10月から施工する社会保険加入の要件化、2024年度から建設業にも適用となる罰則付き残業規制などを契機に、「社員の一人親方化」を進める懸念があるためです。
様々な取り組みを想定
具体的な取り組みとしては、検討会の立ち上げや偽装請負、契約に関するアンケートの実施、パンフレットの作成・配布などを想定しています。
建設業法の規制逃れあるいは法定福利費の負担逃れを目的とした一人親方化は、外見上は直ちに判然としないことから、調査による実態を踏まえた検討を進め、偽装請負を防ぐための実効性ある対策につなげていきます。
規制逃れを目的とした一人親方化の対策検討のほか、社会保険加入の原資となる法定福利費の確保のための取り組みも継続して行う方針です。
法定福利費を内訳明示した請負代金内訳書の活用促進などの見える化の取り組みや見積書の活用状況に関する実態調査により、社会保険加入の定着を促します。
(「建通新聞」2019年9月30日1面より引用)