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政府は、2019年4月に大企業で始まった時間外労働の上限規制に伴って無理な発注をするなど、下請事業者となる中小企業に「しわ寄せ」の発注が懸念されることから、対策に乗り出すこととなりました。
業所管省庁が大企業の経営トップに対し、しわ寄せを生じさせないように直接要請をしていきます。

経営トップへの直接要請も

厚生労働省、中小企業庁、公正取引委員会は連携し、下請法などに違反するしわ寄せがあった場合は厳正な対処を行います。
2019年6月12日に開いた「中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキング・グループ」の第9回会合で示された取り組み方針によると、業所管省庁の取り組みとしては、経営トップに直接要請するほか、業界固有のしわ寄せ事例やしわ寄せ防止の改善事例を取りまとめたものの業界団体への周知・広報の徹底です。
厚生労働省、中小企業庁、公正取引委員会は、「（仮称）大企業・親事業者の働き方改革による下請事業者へのしわ寄せ防止のための総合対策」を今後策定します。
対策には、下請事業者に労働基準関係法令の違反が認められ、その背景として親事業者による下請法違反行為などの存在が疑われる場合は、厚生労働省が公正取引委員会と中小企業庁に通報することなどを盛り込む方向です。
公正取引委員会と中小企業庁が下請法に基づいて厳正に対応するケースとして、「大企業の働き方改革に伴う下請事業者へのコスト負担を伴わない短納期発注等の下請法等違反のしわ寄せ」が挙げられました。
こうした取り組みにより、時間外労働の上限規制が2020年4月から中小企業に適用されても円滑に対応できるようにしていきます。

（「建通新聞」2019年6月14日1面より引用）