建設業コラム

2011年7月 5日

供給過剰と支援で停滞 ~政府の中小企業支援

いつもお世話になります。副所長の牧江です。

  この度の震災でお亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げます。
また、被災された方々にお見舞い申し上げます。
  大切な方々の安否がいまだ不明だという方々、大切な方々と再会できますように。
現地で救援活動をされている方々、福島原発での対応にあたられている方々など、どうかご無事で頑張ってください。

 本日は、新経営事項審査を控え、政府と建設業界の間で問題視されている事象についてご紹介します。

2月10日に民主党成長戦略・経済対策プロジェクトチーム総会が行われました。そこて、政府の中小企業の事業引継円滑化支援を目的にした「産業活力再生法・改正案」を今通常国会に提出することを了承しました。

 この資金繰り支援や企業再生支援などを柱にした政府の中小企業支援に対し、地方建設業界では、複雑な思いが広がっています。過去問題となった貸し渋り・貸しはがしによる経営悪化が複数の中小企業支援策によって回避されている反面、金融機関の債務放棄や過剰債務を切り離す「第二会社方式」という私的な再生枠組みを使った中小建設業が出始めていることが理由です。

関係者からは既に、「建設業の場合は、建材メーカーが地元中小建設業の事業を引き継ぐ可能性もある」ことが指摘されていました。

 一方、これまでに地方建設業界が求めてきた供給過剰と不良不適格業者排除問題解決のための入口制限については、国土交通省が4月から適用する経審改正で、技術者の雇用期間の明確化や法的整理を行った企業への大幅な減点で、4月以降からの公共工事参入には一定の歯止めがかかります。

 ただ経審の減点は、法的整理が対象で、「第二会社方式」などの指摘再生枠組みは適用外です。さらに中小企業庁の事業再生支援策と、金融庁の金融円滑化法に基づく、建設業に対する金融機関の貸付条件変更(債務の繰延)が増加していることに、地方建設業界からは「金融機関の支援が低価格競争の激化を招いている」との懸念の声も根強く、そのため早くも、「第二会社方式」など指摘再生枠組み企業を会員に抱える地方建設業界からは、「4月の経審改正で法的整理企業はなくなる一方、金融機関支援による指摘再生企業は急増する」ことへの不安が広がります。

 建設市場の回復が見込めない中、「供給過剰」と「企業再生・支援」という地方建設業界にとって二律背反の課題に、地方建設業界は「本音を言えば私的再生企業も公共工事からは退場してほしい。でも仲間(協会内)にそんなことも言えないし、いつ自分がそういう立場になるかも分からない」と苦渋を語っています(建設通信新聞より一部抜粋)。

いつもありがとうございます。